2019年02月16日

葬儀の簡素化が進むと戒名を不要だという人の増加

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バブル経済が崩壊し、“失われた20年”と言われた時期で、景気の低迷した頃から中流階級で生活していた多くのサラリーマン家庭に経済的な余裕がなくなってきました。また、インターネットが普及し、必要な情報を自由に収集できるようになるにつれて親族間だけでなく、周囲の人たちとの付き合いが減ってきたようです。

社会のこうした変化が葬儀の仕方にも変化をもたらしたようです。故人や喪主の友人、知人や親族、隣近所の友達などが多数参列する一般葬が減ってきて、近親者だけで費用をかけずにこぢんまりと行う家族葬が増加してきました。

更に、会葬者が少ないと見込まれると通夜、告別式の時間を短縮したり、一日葬で済ますケースも行われています。いずれも会葬者が少ないのに広い葬祭会場を長時間借りて、余計な費用をかけるような余裕が喪主側になくなってきた事情が背後にあるようです。葬儀の簡素化や経済的な余裕の減少は故人の戒名にも影響を与えているようです。仏教の教えに関係する考え方やしきたりがすっかり社会に溶け込んでいるとはいえ、仏教を信仰する人は極めて少ないはずです。このため、埋葬する故人の墓標に戒名を付けるか、尋ねられた際、改めて信仰心を持ち出す気持ちを持ち合わせていないようです。仏教を信仰する人に与えられるのが戒名のはずなので、その証を頂くのにお布施が数万円から百万円の相場だと聞くとこのような名前を頂く必要がないと考える人が増えてしまうはずです。